Background: アルコール使用障害(AUD)の治療薬は限られており,忍容性が高く,自己投与可能な薬剤が切望されている。 アルコール依存症患者のサブグループ、例えばAUDの遺伝を持つ人は、薬理学的治療、特に脳のセロトニン作動系に影響を与える薬物に対して異なる反応を示す可能性がある。

根拠 臨床観察と症例報告によると,広く使用され忍容性の高い抗うつ薬であるミルタザピンは,ノルアドレナリンとセロトニンの両方の放出を増加させると同時にセロトニン(5-hydroxytryptamine)3受容体を遮断し,アルコール消費を減少させることが示されている。 さらに、セロトニン作動性(5-ヒドロキシトリプタミン)3受容体に影響を与える薬剤は、AUDの遺伝を持つ個人において異なる働きをすることが示されている。

方法 この二重盲検無作為化プラセボ対照2群間臨床試験は,mirtazapineが男性の高飲酒者を対象にアルコール摂取量を低下させるかどうかを確立することを目的とした。 また,研究対象者はAUDの遺伝性によりサブグループ化した。 2週間の単盲検プラセボ投与後、59名の男性を、毎日30mgのmirtazapineを8週間投与する群(n = 29)またはプラセボ投与群(n = 30)に無作為に割り付けた。 主なアウトカムは、アルコール日記によって測定された自己申告によるアルコール摂取量(1日あたりの飲酒量)であった。 アルコール摂取量は、ベースラインと比較した試験期間中の週平均値として算出された。 データは intention to treat およびプロトコールに従って解析された。

結果 AUDの遺伝的背景を持つ高アルコール消費者はミルタザピンによる治療が有効であることが示唆された。

結論 本研究の結果は,intention-to-treat解析において,アルコール摂取に対するミルタザピンのプラセボに対する優位性を支持するものではなかった。 しかし,ミルタザピンは,AUDの遺伝性を有する患者において,アルコール依存症に対する利用可能な治療法の代替となりうる可能性がある。

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